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2011年ナビスコ杯決勝戦 「浦和 vs 鹿島」観戦記

 10月29日。いよいよ、この日がやってきました。
 2011年ナビスコ杯決勝、浦和レッズと鹿島アントラーズの決戦です。
 
 舞台となる国立競技場は秋らしい青空に包まれています。最高の舞台で、経験豊富な百戦錬磨の相手に監督交代で生まれ変わった若い浦和のサッカーがどこまで通用するのか、大いに期待しましょう。
 
 スタメンは、Jリーグの前節横浜戦で勝ったメンバーが中心です。
 変わったのは、右SBに2003年の浦和初戴冠を知る男、山田暢久君が入っています。

 注目はまず守備です。中盤でボールを奪われた時、鹿島の鋭いカウンターをどう止めるかが見所です。

 試合開始。

 フォーメーションは予想通りの4-1-4-1。
 4バックのラインの上に1ボランチ(アンカー)として啓太が位置し、その上に左から原口元気君、山田直輝君、柏木君、梅﨑司君が並び、1トップにセルヒオ・エスクデロが入っています。

 前節同様、中盤はかなり流動的に動いています。
 特に柏木君と直輝はお互いの位置を常に意識して、バランスを取りながらいつも通り精力的にピッチを走り回っています。
 積極的に直接ボールに絡んでいく直輝に対して、少し引いた位置でボールを引き出して両サイドへパスを配給しようとする柏木君という役割分担となっている感じです。

 25分過ぎ、鹿島のカウンターから野沢選手のシュートをGK加藤順大君が右手一本で弾き出すスーパーセーブも飛び出し、無失点で切り抜けます。
 
 逆に浦和は、30分過ぎに左サイド、元気とセルのパス交換から最後は司のシュートという決定機がありましたが、シュートが惜しくも相手DFの足に当たり枠の外へ・・・残念。

 前半を通して、両チームともゴール前でのミスパスが目立ちましたね。
 というよりも、DF陣の頑張りが目立ったと言うべきか・・・

 鹿島は浦和のセルへのクサビのボールは常に狙っていましたね。それに浦和の両翼(元気と司)へのマークは外していませんでした。浦和のストロングポイントを消しに行く、ここらへんの対応はさすが鹿島という感じです。

 しかし、浦和も鹿島の攻撃、特にカウンターへのケアは素晴らしかったです。
 永田君、濱田水輝君の両CBの出来ももちろんですが、スペースを消すアンカー啓太の読みが冴えていました。さすがベテラン、頼りになります。

 前半は、そのままスコアレスのまま終了となりました。
 どちらのペースとは言い切れませんが、若干浦和が押し気味だったような気がします。
 タイトルが懸った大事な試合らしい、緊迫した締まった好試合となりました。
 後半期待できそうです。

 それでは、後半。
 
 さて、これからはエンジン全開で・・・と気合を入れ直したのも束の間でした。

 後半開始早々の5分、直輝のスライディングタックルが遅れ気味に相手に入ってしまい、この試合2枚目のイエローカードで退場となってしまいました。これは痛い・・・

 鹿島相手に1人少ない状態で残り時間を戦わなければいけない。しかも、抜けたのが攻撃の中心である直輝とは・・・
 浦和にとっては試練の展開となりました。やっぱり、タイトルはそう簡単には取れませんね。

 ピッチの仲間へ両手を合わせて、頭を下げて謝りながらベンチへ下がっていった直輝。

 恩師である堀孝史監督の期待に何とか応えたい、タイトルを獲得して監督続投の力になりたい、という意気込みが強過ぎて、少し空回りしてしまいましたかね・・・無念さは痛いほど分かります。

 浦和はトップ下を一枚減らし、4-1-3-1として対応します。

 直後の後半7分には右サイドで司がサイドチェンジのボール上手いトラップ一発で交わし、強烈な右足シュートを放ちますが、惜しくもサイドネットへ・・・
 司は、リーグでの好調をしっかり維持していますね。今後の残留争いに向けて本当に頼もしい限りです。
 
 しかし、その後は一人多くなった鹿島が圧倒的に攻めまくります。
 防戦一方となった浦和は全員が自陣に戻り、体を張ったDFで何とか失点を防いでいます。

 後半31分、司に代わって高橋峻希君が投入されます。
 峻希は司のいた右OHの位置にそのまま入っています。
 
 ゴール前に人数を集めて中央を固めざるを得ない浦和に対して鹿島は、左右にボールを散らして、そこからゴール前に放り込みまくりますが、GK順大を中心に粘りました。際どいシーンは数多くありましたが、ゴールネットだけは揺らさせません。
 この試合に懸ける浦和の選手達の気持ちが伝わってきますね・・・素晴らしいです。

 後半35分、再びこの試合の転機が訪れます。
 鹿島の青木選手がこの試合2枚目のイエローをもらい退場、これで10人対10人。再び同数となりました。

 その後は一進一退の攻防となり、お互いに死力を尽くした死闘となります。
 本当にすごい試合になりました・・・浦和の試合では至近にない気持ちの入ったゲームです。
 堀監督のため、退場してしまった直輝のため、そして国立を埋めた浦和サポのため・・・

 素晴らしい団結力です。今年はあまり見られなかったチーム一丸となった戦いがようやくここに来て見られるようになりました。
 ちょっと遅かったですが、遅過ぎたわけではありません。
 手遅れになる前で本当に良かった・・・

 そのまま0-0で後半も終了。運命は延長戦に託されます。

 浦和は延長戦の頭から、キャプテンの啓太に代えてルーキーの小島君が投入されます。
 鹿島も同じくキャプテンの小笠原選手に代わって、増田選手が入ります。
 
 この切羽詰った状況で、実戦経験の少ないルーキーの選手を入れざるを得なかった浦和と経験豊富なスタメンと遜色ない選手を投入することが出来る鹿島。両チームの総合力の差がこういうところにも出てしまいます。

 延長前半15分、興梠選手に浦和の右サイドを突破され、折り返しを逆サイドの大迫選手に難なく決められてしまいました。0-1鹿島が待望の先制点を入れました。ここまで、よく耐えていましたが・・・残念です。

 そのまま延長前半終了。

 エンドを代えた延長後半、開始早々の2分に暢久に代えて坪井選手を投入です。

 点を取るしかなくなった浦和は、前掛かりになって攻めていきます。
 ボールを確保して逃げ切りを図る鹿島に対して、厳しいチャージを掛ける浦和の選手達。
 延長も後半に入って気温も高め、体力も限界に近付いているはずなのに、諦めたりサボっている選手は誰もいなかった。

 本当にいい試合になりました。スタジアムを埋めた4万5千人を超える両チームのサポも満足できるのでは?

 後半10分過ぎから、勝利を信じる浦和サポは「PRIDE of URAWA」の大合唱。
 奇跡の逆転勝利を諦めていないのは、選手もサポも一緒です。

 浦和は水輝をゴール前に上げたままのパワープレーで勝負に出ます。
 終了直前に放たれたセルの右足シュートは惜しくもポストの右に外れて万事休す。

 そのまま試合終了。0-1で鹿島の勝利となりました。

 鹿島はこれでJ通算15個目のタイトル獲得となりました。この試合の鹿島は優勝に値するパフォーマンスでした。鹿島サポの皆様、おめでとうございます。

 浦和の選手もみんな死力を尽くして戦いました。だから、強豪の鹿島相手にこれだけの試合が出来たんです。
 敗れたとはいえ、胸を張れる試合内容でした。

 今の時点でのチームの完成度、総合力ではまだ鹿島に及ばなかったのは確かです。
 ただ、浦和は選手もそうですが、チームとしてもまだまだ若い。これから伸びていくチームであることは間違いありません。

 メンバー入りした浦和の選手達には、ピッチ上の鹿島の選手の喜ぶ様子を目に焼き付けておいてほしい。
 そして、その悔しさをバネに更に練習を重ねて、いつの日か彼らにリベンジしてほしい。

 思い出すのは、やっぱり、2002年のナビスコ決勝。
 その時も今日と同じ相手鹿島に敗れました。しかも同じ0-1というスコアでした。

 そしてそのちょうど一年後に同じ舞台で同じ相手を倒して上昇のきっかけを掴み、強豪クラブへの階段を駆け上がって、最後には2007年のACL優勝でアジアの頂点まで登り詰めました。
 
 この試合の結果は残念なものとなりましたが、今後に大いに期待できる内容でした。
 Jリーグの残り試合も、このサッカーを続けていければ、残留は見えてくるでしょう。
 
 5~6年後、再びアジアの頂点に立ち、あの苦しい時期があったから今がある、選手もサポも心からそう思えることを信じています。

 選手達よ、うつむくな、前を向け!まだ全てが終わったわけではありません。

 次の戦いはもうそこです。落ち込んでいる場合ではありません。もう一度、J1残留という大きな目標に向かって、“チーム一丸”となりましょう。それがチーム力を高める最善の方法です。

 頑張れ!浦和レッズ!!

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Comment
>どちらのペースとは言い切れませんが、
>若干浦和が押し気味だったような気がしま
す。

いや、どう見ても前半から鹿島のペースだったかと…
鹿の青木退場後も概ね鹿島のペースでしたし…。
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プロフィール

ヨッシィー☆

Author:ヨッシィー☆
鉄鋼関係のエンジニアです。

浦和で生まれ、浦和で育った、浦和レッズ・サポ。

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