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【Jリーグ観戦記】『浦和レッズ vs セレッソ大阪』(’13 第34節)

 12月7日の土曜日。関東は日中、気持ちのよい青空が広がりました。
 風も穏やかで、とても過ごしやすい一日でした。

 この日、JリーグJ1の最終節、第34節が各地で行なわれています。
 我が浦和レッズは、デーゲームでセレッソ大阪とホーム・埼玉スタジアム2002での対戦です。

 浦和は、前節、サガン鳥栖に自分たちのサッカーをさせてもらえずに完敗。今シーズンの優勝の可能性が完全に消えました。
 ただ、この試合に勝利すれば、他チームの結果にかかわらず、来季のACL出場権を獲得することできます。

 対する大阪は、前節、鹿島アントラーズに接戦の末に敗れましたが、6位につけています。
 こちらも、ACLの可能性もわずかですが、残っています。

 勝ったほうが上の順位にいく上位チーム同士の対戦。ACLとプライドを賭けた熱戦に期待したいです。

 浦和のスタメンは前節から変更あります。
 右WB梅崎司選手に代わり、平川忠亮選手が2試合ぶりに復帰しています。

 試合開始。浦和のシステムはいつも通りの3−6−1。
 大阪は4バックの最終ラインに1トップの布陣。フィジカルの強いセンターバック2枚を中心に、しっかりゴール前を固めています。
 
 お互いにカウンターを警戒し、攻撃的な両チームにしては静かな立ち上がり。
 
 先手を取ったのは、ホームの浦和でした。
 24分、相手のクリアボールを拾い、中央の柏木君から前方の元気に絶妙のタイミングでスルーパス。
 元気、至近距離から右足で強烈なシュートを左サイドネットに突き刺しました。1-0、浦和が先制します。

 元気は、柏木君に手でパスの出しどころを指示していました。柏木君もそれをしっかり見ていましたね。
 全体重を乗せたかのような強烈なシュート。体制を崩しながらも、浮かさずに枠内にしっかり決め切ったのはさすがです。

 その後も、浦和が得意のピッチをワイドに使った攻撃で、大阪ゴールに何度も迫ります。
 しかし、最後の部分で精度が悪く、得点には至りません。

 40分の大阪、右サイドの酒本選手からの低いクロスに中央の杉本選手がワントラップして、そのまま左足のシュート。
 そのボールがディフェンスに当たり、ゴールキーパーの頭上を越えて、ゴールに吸い込まれました。1-1、大阪が同点に追いつきます。

 杉本選手、右足アウトサイドで足元にピタリと止めたトラップが見事でした。

 気落ちした浦和に大阪がさらに追い打ちをかけます。

 45+1分の大阪、右サイド深くえぐった酒本選手がゴールラインギリギリからセンターリング。
 ギシがかろうじて手で触れますが、そのボールを中央の杉本選手が拾い、前方の柿谷選手ヘディングでつなぎます。
 柿谷選手、背中越しの浮き球を左足ダイレクトでシュート。
 ディフェンスに跳ね返ったボールを逆サイドの南野選手が左足で押し込みました。1−2、大阪が逆転に成功します。

 柿谷選手、難しいボールでしたが、ダイレクトで打つというひらめき、それを実行できる技術力、さすがです。
 南野選手も基本通り、きっちり逆サイドに詰めていました。
 
 結局、1-2で大阪がリードのままハーフタイムへ。

 浦和のシュートは4本、対する大阪は5本。
 立ち上がりは静かなスタートでしたが、浦和が1点を先制してから動き出しました。
 
 浦和は、ここ2試合の反省を踏まえて、中央からの攻めに固執せずに、両サイドをうまく使っていました。
 とくに、フリーになることが多かった右WBの平川君にサイドチェンジのパスを起点にした攻撃が目立ちましたね。
 リードは許しましたが、やっているサッカー自体は悪くありません。
 浦和としては、早い時間帯に追いついて、打ち合いの展開に持ち込んみたいところ。
 
 後半開始。

 53分の大阪、左サイドで細かくボールをつなぎ、最後は柿谷選手がペナルティエリアの左隅付近から右足でシュート。
 ボールは逆サイドのポストを当たって、ゴールネットに吸い込まれました。1−3、大阪が突き放します。

 ゴールキーパーの手から逃れるようにカーブをかけて、外側から巻きながら逆側のゴールの隅に置きにいった右足のコントロールショット。
 シュートした柿谷選手を褒めるしかない、スーパーゴールでした。

 追い詰められた浦和は、劣勢を挽回しようと、交代カードを2枚同時に切ります。
 54分、宇賀神友弥選手に代わって関口訓充選手、平川忠亮選手に代わって梅崎司選手がそれぞれ入ります。

 しかし、選手交代も功を奏さず、浦和の攻撃のリズムは悪いまま。

 せっかく、両WBにフレッシュな選手を入れたにもかかわらず、サイドからの攻撃が機能しません。
 悪いときの浦和が顔を出し、中央からの攻めに偏りがちになります。
 単調な攻撃を大阪の守備陣に読まれて、ボールを奪われて鋭いカウンターを浴びる場面もしばしば。

 63分、浦和は3枚目の選手交代で最後の賭けに出ます。
 ディフェンスの那須大亮選手に代わって、オフェンシブな山田直輝選手。
 浦和は、さらに失点のリスクを負って、がむしゃらに得点を取りにいきます。

 運動量豊富でボールを引き出せる直輝が中盤に入ったことで、浦和の攻撃にリズムが戻ります。

 72分の浦和、右からのコーナーキックを獲得します。
 キッカーの柏木君の左足クロスをニアの森脇君が頭で後ろに反らし、さらに元気が頭で前方にフィード。
 そのボールを槙野君が拾ってシュート。相手ディフェンダーにブロックされますが、こぼれ球を興梠君が拾ってシュート。
 これもゴールキーパーに弾かれますが、興梠君自らこぼれ球に反応して右足でゴールにねじ込みました。2-3、浦和が追いすがります。

 興梠君、最後は角度のないところから難しい体勢でのシュートでしたが、よくコントロールしました。まさに、意地の一撃でした。

 1点差に迫り、反撃ムードが高まった浦和。
 それに冷水を浴びせたのが、またしてもこの人。大阪の背番号「8」柿谷選手でした。
 
 76分の大阪、左足からのクロスにニアサイドの枝村選手がヘッドで合わせますが、ポストを直撃。
 そのこぼれ球を柿谷選手が拾って、冷静に右足で押し込みました。2−4、大阪がダメ押しの1点を取りました。

 柿谷選手、ここぞという場面で得点を決められるメンタルの強さ、エースの証明ですね。

 86分の大阪、カウンターから最後は、左サイドドリブルで切れ込んだ南野選手が、切り返して左足でシュート。
 グラウンダーのボールが左ポストをかすめてゴールに飛び込みました。2-5、大阪がトドメの1点を取りました。

 南野選手、「ファーサイドに打ってくる」と読んでいたギシの逆を突いて、鮮やかにニアサイド蹴りこみました。
 18歳という年齢に似合わない冷静なプレーぶり。将来が楽しみな選手です。

 アディショナルタイムは4分。
 浦和は最後の力を振り絞って攻撃を仕掛けましたが、ゴールは遠く、そのまま試合終了のホイッスル。
 
 試合は結局、大阪が2−5で勝利を収めました。
  
 ☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆  

 試合通じてのシュート数は、浦和が14本、大阪が18本。
 攻撃が持ち味の両チームらしく、ゴール前の迫力あるシーンの多いスペクタクルな試合でした。
 決まったゴールはどれもハイレベルなものばかりで、見応えがありました。

 浦和は、またしても3点差の大敗。
 点差こそ前節と同じですが、意味合いはまったく違います。
 前節は、早い時間帯に失点し、相手に引かれて、カウンターから失点を重ね、相手の術中にはまってしまいました。
 この試合では、浦和が先制し、得意の打ち合いのスタイルに持ち込みながらも、逆に大差をつけられてしまいました。

 完全な力負けですね。言い訳のしようのない完敗です。

 決めるべきところで決めきった大阪。決めるべきところで決めきれなかった浦和。
 決定力の差が、スコアにそのまま表れてしまいました。

 一番悔しいのは、ピッチで戦っていた選手たち自身でしょう。
 この敗戦を糧に、来季はさらにグレードアップした浦和のサッカーを見せてほしいです。

 選手の皆さん、スタジアムに足を運んだ5万4千人以上の両チームのサポの皆さん、本当にお疲れ様でした。

 試合終了後は、毎年恒例のセレモニー。

 橋本社長の挨拶の後、今季を最後にチームを離れる山田暢久、野田紘史、永田拓也の3選手の退団セレモニーが行われました。

 入ってくる人がいれば、出ていく人も必ずいます。人の入れ替えは、チームが強くなるために必要不可欠なことです。
 頭では理解していても、気持ちの面ではなかなか受け入れられないものですね。
 毎年、毎年、最終節では身を切られる思いです。
 せめて、勝って気持ちよく送り出してあげたかった、というのが浦和サポ全員の気持ちではないでしょうか。

 暢久は、1994年に浦和に入団し、それから20年にわたって主力として浦和を支え続けてきました。
 J創設当初の「お荷物」と呼ばれたときも、J2陥落したときも、J初優勝を飾ったときも、アジアチャンピオンを勝ち取ったときも、すべてのシーンに暢久がいました。
 まさに浦和の「生き証人」といえる存在です。
 どんなときでもマイペースを崩さずにひょうひょうとプレーし、ファンから愛されるいじられキャラの暢久。

 20年間、本当にありがとう。新天地でのご活躍を願っています。

 ミシャが監督になって2年目の今季。
 浦和はリーグ戦を戦いながらも、ACLとのかけ持ちや鬼門だった夏場の連戦も乗り切り、ナビスコ杯は決勝まで進みました。
 それでも終盤まで優勝争いを続けることができたことは、昨季よりもチームの実力が着実に上がってきた証拠です。

 残念ながら、シーズンのラスト3試合で3連敗を喫して、ゴールを目前にして力尽きてしまいました。
 マラソンでいえば、常に先頭争いに加わりながらも、体力的にも精神的にも最も厳しい35キロ過ぎで突き放されてしまったというところ。

 1シーズン、フルに戦って優勝を勝ち取るだけの心身のスタミナが、チームとして備わっていなかったということでしょう。
 
 この1年で、浦和のサッカーが研究されて、その対策もほとんどのチームに共有されるようになりました。
 来季は、どのチームも浦和の長所を徹底的に消してくるでしょう。今季以上に厳しい戦いになることは間違いありません。
 
 浦和はそれらを打ち破って勝ち星を重ねるだけのチーム戦術、攻撃の引き出しの多さ、個の強さ、精神的な勝負強さを身につけて臨む必要があります。

 リーグ戦6位という結果に、満足している選手、サポーターは一人もいません。

 ミシャ体制になって3年目となる来季、内容はもちろんですが、求められるのは「結果」です。
 浦和サポを納得させる結果を残すことができるか、その真価が問われる1年になります。

 今のJリーグでは異色の、攻めて、攻めて、相手を圧倒する攻撃的な浦和のスタイルを貫き通し、かつ、タイトルを獲得すること。

 難しいけれど、価値のある挑戦。今の浦和に、それを成し遂げる可能性を感じているのは、僕だけではないはず。

 来季、さらに進化した浦和の攻撃サッカー、ミシャ・サッカーの完成型を観られることに期待しましょう。
 
 頑張れ!浦和レッズ!!

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鉄鋼関係のエンジニアです。

浦和で生まれ、浦和で育った、浦和レッズ・サポ。

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